初めてのアンコール

※このエッセイはメールマガジンとして1年4ヶ月に渡り発行してきた物語です。

**【CD制作秘話】************
★★★ (明日)と共に ★★★★
・・・ あかひとともに ・・・
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★★★★★ 原作 本田真治 ★
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【No.31】初めてのアンコール
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皆さんこんにちわ!
「CD制作秘話〜(明日)と共に」のご購読ありがとうございます!

ドラゴンのフィギュアが付いたお菓子を発見しました。
私は食玩コレクターではないんですが、
時々ピンポイントで魅力的なアイテムがあったりします。
買ったのは一個だけですが、
一番欲しかったサラマンダーが出たのでした。
サラマンダーの伝承は複雑で容姿についても諸説ありますが、
私が好きなのは錬金術医師パラケルススが唱えた
炎の精霊としてのサラマンダー。
フィギュアは透明感のある体で、
炎を吹いている飛竜の姿で表現されていますが、最高っす!
両生類にもサラマンダーと呼ばれるものがいて、
名前の由来はこの精霊から来ています。
見た目はサンショウウオに似たイモリに近い生き物で、
実はウーパールーパー(メキシコサラマンダー)も、この仲間なんですよ。

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【登場人物】
私(著者)…制作指揮
花巻アイコ…ボーカル
秋本かんな…コーラス・ギター
高橋仁美 …コーラス・ギター
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3人に出会ってから8ヶ月が過ぎた。
そして、この日、
(明日)にとって初めてのCDの発売を無事に迎える事ができたわけである。
ひとつの目標が達成されるというのは、いつも本当に嬉しいことだ。
私には(明日)の歌は、とても純粋で、真面目で、温かいと感じるし、
それはどんな立場や境遇の人にもわけへだてなく向けられている。
(明日)の歌を聴いてくれる人たちが子供からお年寄りまで幅広いのも、
そんな彼女たちの気持ちが伝わるからなのかもしれない。
(明日)の歌がどこかで必要とされ、
例えば打ちひしがれた人にも本当の心の癒しを手助けしてあげられるのであれば、
それこそが私たちの望んでやまないものであり、大切な役割なのだと思う。
私はアイコ、かんな、仁美と共に、人々とのそうした関わりの中で、
いつでもお金よりもはるかに大切なものをたくさん頂いてきた。

娯楽という枠に捕らわれない音楽…
それこそが私たちにできる社会貢献なのかもしれない。

初めてのワンマンライブ、
(明日)のために集まってくれた84人のお客さんが見つめる中、
アイコ、かんな、仁美の姿がステージに現われた。
可愛いらしくツインテールに結んだアイコ、
ストレートの黒髪がクールなかんな、
知的なメガネが最高に似合う仁美。
3人ともスマートな着こなしで、とても良い感じだ。

満を持してCD発売記念のワンマンライブはスタートした。
アイコ、かんな、仁美が、自分たちで考え、創りあげた今日のステージ。
それは安心して聴いていることのできる内容であった。
私のとても好きな「真実のおはなし」が会場に響き渡る。
私はアイコが自分の個性を確立させたことを感じた。
アイコだけでなく、かんなも、仁美も。
今の彼女たちにはもう、カバー曲は必要ない。
(明日)にしかできない曲があり、
(明日)のオリジナル曲だからこそ聴きに来てくれる人たちがいる。
(明日)はすでに、他のどのアーティストとも違っていた。

ステージには様々に工夫が凝らされ、
お客さんに楽しんでもらおうという熱意が伝わってくる。
もう彼女たちは立派なエンターティナーだ。
アイコはなんとドラムを叩きながらの歌も披露した。
かんなのピアノも心に染みいる。3人のMCもバッチリだ。
ステージからは私にも温かい言葉をかけてくれた。

(なんて良い子たちなんだ!)
いっそう私の親ばかの症状が進行したのは言うまでもない。

仁美のMCは前代未聞だった。
なんとMCに台本を持ち出し、棒読みを始めた。
私はあっけにとられたが、新鮮な驚きと可笑しさがあって、
私にとっては今までに見たあらゆるMCの中でも
忘れることのできない最高のものだった。
もちろん、お客さんにも大好評であった。

アイコ、かんな、仁美の全身全霊をかけたライブは、
お客さんの温かい応援の中で元気いっぱいに展開していき、
会場は熱気に包まれたまま、そして遂に最後の曲を終えた。
3人の姿がステージから消えても拍手は鳴りやまず、
それはいつしかアンコールとなった。
歓声に包まれながら再びステージに上がる彼女たちを見守りながら、
私はワンマンライブの成功と彼女たちの成長という、
二つの大きな喜びを噛みしめていた。

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【次号予告】
ひと山こえて。

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目次

1. CD制作秘話(プロローグ)

2. 始まりのとき

3. ユニット名誕生秘話

4. 最初が肝心

5. エイサー

6. アーティストの領域

7. 大きな夢のために

8. レーベル発足

9. 歌詞が伝えるもの

10.覚えてもらうということ

11.ライブ参戦

12.森林木

13.疾風怒涛のひなまつり

14.偉人集結

15.目覚めし力

16.原動力

17.ディパック

18.青空の下で

19.晴れ舞台

20.作品と商品

21.3人のくれた称号

22.写真は愛情

23.スティックと少年

24.(明日)の記録

25.誰がために歌う?

26.渾身のジャケットデザイン

27.デザイン秘話〜アイコと共に

28.エキセントリックCD

29.ミス名刺

30.お使いランナー

31.初めてのアンコール

32.輝く笑顔

33.新たなる挑戦

34.アルバムプロジェクト

35.アイコの横顔

36.アルバム序曲

37.新生(明日)

38.みんなの気持ち

39.雨降る静かな道

40.(明日)のメルマガ

41.アイコ姫の名曲

42.休日の公園

43.明日vsカッコ

44.小さな女神

45.時は巡る

46.込められた思い

47.放送局の片隅で

48.電波にのせて

49.ラジオ出演の反響

50.試練の時

51.原石と宝石

52.プロフィールの写真

53.かんなの偉業

54.看護師ユニット

55.

56.穏やかなライブ

57.後輩との競演

58.素敵な依頼

59.矢継ぎ早の日々

60.納涼まつり

61.育つ力

62.秋の誘い

63.3人の淑女

64.大人の席

65.そして完パケへ

66.アルバム完成!

67.とにかく走る

68.メールマガジン制作秘話

69.原点

70.ダークマター

71.心の中のファンファーレ


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