後輩との競演

※このエッセイはメールマガジンとして1年4ヶ月に渡り発行してきた物語です。

**【CD制作秘話】************
★★★ (明日)と共に ★★★★
・・・ あかひとともに ・・・
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★★★★★ 原作 本田真治 ★
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【No.57】後輩との競演
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皆さんこんにちわ!
「CD制作秘話〜(明日)と共に」のご購読ありがとうございます!

少し前になりますが、
久しぶりの(明日)ライブにお越し下さった皆様、
ありがとうございました!
そしてまたまたライブです。今度は4/2のさくらまつり!
場所は津久井湖城山公園です。
野外なので今から晴れを祈っています。
ぜひサクラを観ながらのライブをお楽しみ下さいませ!
詳しくはこちらまで↓
http://www.tsukui.ne.jp/sakura/

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【登場人物】
私(著者)…制作指揮
花巻アイコ…ボーカル
秋本かんな…コーラス・ギター
高橋仁美 …コーラス・ギター
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(明日)と後輩である紫陽花との対バンのステージが始まった。
最初にステージに上がったのは紫陽花の3人だ。
ふと(明日)と紫陽花は、ステージでの立ち位置が同じ者同士、
面白いぐらいに対照的であることに気付いた。

(明日)と紫陽花、それぞれのリーダーの二人は
どちらも硬派なお姉サマキャラであり、
両者ギターだけでなくピアノも得意とするあたり、
申し合わせたかのようなライバル設定ぶりだ。
そして実はどちらも本来はボーカル向きである。
かんなはソロで歌ってもベラボウにうまいが、
(明日)の中においてはツインボーカル気味に
コーラスを入れると最高に映えるし、
紫陽花リーダーは妙な歌い方がやみつきになるアーティストだ。
二人とも高い理性と恐るべき精神力を持ち、
崖っぷちで起死回生の力を発揮するツワモノどもだ。
うちのレーベルを支える2本の柱である。

(明日)と紫陽花のボーカルは、
ボーカル候補がひしめくうちの中にあってなお、
メインボーカルの座に君臨する二人である。
どちらもいかにもボーカルらしいというか、
内には燃え上がるような情熱を秘めている。
澄んだつぶらな瞳が印象的なのも共通点だろう。
だがそのボーカルタイプはやはり両極だ。
紫陽花ボーカルはむしろ万能ボーカル向きのように思う。
声質の良さをうまく活かせば、
ジャンルを越えた名ボーカルとして
末永い活躍が期待できるかもしれない。
そして、(明日)アイコは、
私が探し求めていた天性のアコースティックボーカルだ。
いまやレーベルのイメージを直接左右する存在であり、
アイコの行動ひとつに、かんな、仁美、私や後輩たち、
そしてネミューに関わる全ての人々の運命がかかっている。

仁美と紫陽花ギターはユニット内でのポジションは同じだ。
どちらもいるだけで周りを和ませてくれる癒し系の存在である。
とは言え、この二人は似ているようでいて
アーティストとしてのタイプが全く違う。
紫陽花ギターの場合は変幻自在の声と歌い方を持ち、
表現力もずば抜けている。
明らかにコーラスよりはメインボーカル向きだ。
けれど仁美の方は
コーラスにはなくてはならない存在なのだ。
そして仁美のコーラスはやはり誰とも違う。
クリアでいながらも霞のような柔らかな輪郭でいて、
そして温かみのある声質なのだ。
この数年の間にも数多くのアーティストと出会ってきたが、
いざ探すとなると最も難しいタイプだと感じる。
今まで聴いた全てのコーラスの中で、
私は仁美のコーラスが、一番好きだ。
願わくば、いつまでも
この声を大切にして欲しいものである。



ステージは紫陽花に続き(明日)の出番となった。
ライブ前の静けさが嘘だったかのようなハイテンションだ。
少しばかりお客さんは少なかったが、どんな時でも全力で臨む。
私が何も教えないうちから、
アイコ、かんな、仁美の3人がきっちりやってきたことである。

個性的な連中の集まりである紫陽花。
しかし、まだ表に出すには少々早すぎたようだ。
彼女たちはそれぞれの個性が強すぎるのかもしれない。
この日のこのライブでは、
やはりベストマッチなメンバー構成と、
強力無比なチームワークに長ける(明日)が
先輩の貫禄を見せつけたというのは否めないだろう。
けれど紫陽花3人の真価が現われるのはこれからだ。
本当の勝負は、まだしばらく先のようである。

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【次号予告】
霧とぬかるみの道

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目次

1. CD制作秘話(プロローグ)

2. 始まりのとき

3. ユニット名誕生秘話

4. 最初が肝心

5. エイサー

6. アーティストの領域

7. 大きな夢のために

8. レーベル発足

9. 歌詞が伝えるもの

10.覚えてもらうということ

11.ライブ参戦

12.森林木

13.疾風怒涛のひなまつり

14.偉人集結

15.目覚めし力

16.原動力

17.ディパック

18.青空の下で

19.晴れ舞台

20.作品と商品

21.3人のくれた称号

22.写真は愛情

23.スティックと少年

24.(明日)の記録

25.誰がために歌う?

26.渾身のジャケットデザイン

27.デザイン秘話〜アイコと共に

28.エキセントリックCD

29.ミス名刺

30.お使いランナー

31.初めてのアンコール

32.輝く笑顔

33.新たなる挑戦

34.アルバムプロジェクト

35.アイコの横顔

36.アルバム序曲

37.新生(明日)

38.みんなの気持ち

39.雨降る静かな道

40.(明日)のメルマガ

41.アイコ姫の名曲

42.休日の公園

43.明日vsカッコ

44.小さな女神

45.時は巡る

46.込められた思い

47.放送局の片隅で

48.電波にのせて

49.ラジオ出演の反響

50.試練の時

51.原石と宝石

52.プロフィールの写真

53.かんなの偉業

54.看護師ユニット

55.

56.穏やかなライブ

57.後輩との競演

58.素敵な依頼

59.矢継ぎ早の日々

60.納涼まつり

61.育つ力

62.秋の誘い

63.3人の淑女

64.大人の席

65.そして完パケへ

66.アルバム完成!

67.とにかく走る

68.メールマガジン制作秘話

69.原点

70.ダークマター

71.心の中のファンファーレ


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