(明日)の記録

※このエッセイはメールマガジンとして1年4ヶ月に渡り発行してきた物語です。

**【CD制作秘話】************
★★★ (明日)と共に ★★★★
・・・ あかひとともに ・・・
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★★★★★ 原作 本田真治 ★
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【No.24】(明日)の記録
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皆さんこんにちわ!
「CD制作秘話〜(明日)と共に」のご購読ありがとうございます!

久しぶりにアイコ、かんな、仁美の写真を撮りました。
夜の街のわずかな灯りの中、
他のアーティストが1日かけて撮る枚数を
わずか30分くらいで撮ってきました。
なんだか連写のような感じでした。
お肌が粗く写る事を覚悟でISO400にして
シャッタースピードを限界まで落としてみても
さすがにこの光源、光量では厳しいものがあります。
この状況でフラッシュをたいて撮ったらどうなるかは
わかっていたものの、このままよりはと思いやむをえず…。

結果は…
うあぁぁぁぁぁぁぁーーー。ぱたっ。

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【登場人物】
私(著者)…制作指揮
花巻アイコ…ボーカル
秋本かんな…コーラス・ギター
高橋仁美 …コーラス・ギター
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初レコーディングはもはや目前であった。
アイコ、かんな、仁美の、声が、詞が、演奏が、
形としていつまでも銀色の円盤の中に残るのだ。
そう、それはまさにレコード(記録)なのである。
歌だけではない。
アイコと、かんなと、仁美と、そして、私が、
この時代、この時間、この場所で、
奇跡的にも確かに巡り会い、
共に力を合わせ、助け合いながら夢に向かって挑んでいる。
今この瞬間を共に生きてきた証としての、
4人の人生の記録でもあるのだ。

私がこだわったのは、
アイコ、かんな、仁美の歌を初めて聴いた時の感動を、
そのままCDにしたいという事だった。
あたかも時間と空間を切り取ってCDに収めたかのように。
ライブさながらに全員が一斉に演奏し、
最初から最後までを一気に録りきる。
それは一度の失敗でさえ、
それまでの演奏が無駄になってしまうという厳しいものだ。

CDは音楽業界の長い歴史の中で培われた様々な
職人技を駆使して制作される。
そうした技術と経験で
数々の名盤を生み出してきた知る人ぞ知る
名エンジニアの元で収録しているにも関わらず、
周囲の強い反対を押し切って、
あえてそれらに頼らない道を選んだ。
彼女たちが秘めたる気迫や真剣さ、そして
気高くも激しい、烈火のごとき情熱を
どうしてもそのまま形にしたかったのである。
音楽業界のベテラン諸氏達の説得を受けてなお、
かたくなに初志を貫いたのも、
私が(明日)の中に、
堅実な成功を犠牲にすることでしか得られない、
珠玉の輝きの兆しを見てしまったからなのかもしれない。

限られたわずかな時間で5曲もの収録、
そこには失敗している余裕などあろうはずもない。
初めてレコーディングを行う初心者ユニットに対して、
あまりに厳しい仕打ちではあった。
けれど彼女たちだからこそ、私はあえて踏み切ったのである。
いやがおうなしに襲い来る巨大なプレッシャーがあろうとも、
彼女たちならやり遂げるであろう事を私は感じていたからだ。
そしてそれを乗り越えたとき、
それはアイコ、かんな、仁美にとっても確かな自信となり、
彼女たちをよりいっそう強く大きく成長させるはずだと言うことも。
やがて後輩が入って来たとき、3人が乗り越えてきた体験は
アイコを、かんなを、仁美を、頼もしい先輩として
後輩たちの心にも何かを伝えていくだろう。
後に伝えていけるマインドがあること。
それは人や組織の価値と呼べるものである。

いままでと違った視点でものを作れば
強い反発にも遭うだろうし、作業自体にも未知の困難がつきものだ。
それどころか音楽ファンに受け入れられるかどうかさえ定かではない。
言わずもがな、ファンを置き去りにした自己満足の音楽を
世に送り出そうなどとは思ってもみないことだ。
けれども、音楽の持つ新たな魅力や可能性を積極的に探求し、
音楽を愛する人々に問うことこそ、インディーズレーベルが
音楽業界で果たすべき役目なのではないかと思うのである。
そして、もし、そこに光り輝く新たな可能性が発見され、
より大きなレコード会社が動きだすことになれば、
そこから音楽業界は、音楽を純粋に愛する全ての人たちと共に
喜びを分かち合いつつ、新しい歴史を築いていくことだろう。



当日。

私の前に現れた3人のテンションは最高潮に達していた。
日頃からこの日にためにコンディションを整え
喉や体調に細心の注意を払って、
今日この勝負の時を迎えたのだろう。
気合いがビシビシと伝わってくる。

「一瞬に全てを賭けて」

彼女たちの挑戦は今まさに始まろうとしていた。

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【次号予告】
(明日)の歌が炸裂!!
白熱のレコーディングスタジオ

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目次

1. CD制作秘話(プロローグ)

2. 始まりのとき

3. ユニット名誕生秘話

4. 最初が肝心

5. エイサー

6. アーティストの領域

7. 大きな夢のために

8. レーベル発足

9. 歌詞が伝えるもの

10.覚えてもらうということ

11.ライブ参戦

12.森林木

13.疾風怒涛のひなまつり

14.偉人集結

15.目覚めし力

16.原動力

17.ディパック

18.青空の下で

19.晴れ舞台

20.作品と商品

21.3人のくれた称号

22.写真は愛情

23.スティックと少年

24.(明日)の記録

25.誰がために歌う?

26.渾身のジャケットデザイン

27.デザイン秘話〜アイコと共に

28.エキセントリックCD

29.ミス名刺

30.お使いランナー

31.初めてのアンコール

32.輝く笑顔

33.新たなる挑戦

34.アルバムプロジェクト

35.アイコの横顔

36.アルバム序曲

37.新生(明日)

38.みんなの気持ち

39.雨降る静かな道

40.(明日)のメルマガ

41.アイコ姫の名曲

42.休日の公園

43.明日vsカッコ

44.小さな女神

45.時は巡る

46.込められた思い

47.放送局の片隅で

48.電波にのせて

49.ラジオ出演の反響

50.試練の時

51.原石と宝石

52.プロフィールの写真

53.かんなの偉業

54.看護師ユニット

55.

56.穏やかなライブ

57.後輩との競演

58.素敵な依頼

59.矢継ぎ早の日々

60.納涼まつり

61.育つ力

62.秋の誘い

63.3人の淑女

64.大人の席

65.そして完パケへ

66.アルバム完成!

67.とにかく走る

68.メールマガジン制作秘話

69.原点

70.ダークマター

71.心の中のファンファーレ


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ナースユニット(明日)の音日記 。  珍しい動物の図鑑。熱帯魚を美しく輝かせる水槽。優美な水草に癒される水槽カタログ  素朴で愛らしいメダカ。  色とりどりの華やかな熱帯魚。  アクアリウムがいっそう楽しめる熱帯魚飼育

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